高齢者がつつがなく毎日を過ごすための様々な施設がある。そのようなシニア向け施設の中のひとつとしてサ高住というものが存在している。これは、要支援・要介護といった介護サービスを必要とする高齢者が利用する施設ではなく、比較的健康でまだ介護の必要としない高齢者が利用する賃貸住宅だ。サービス付き高齢者向け住宅の略であり、高齢者が住み慣れた地域で暮らしていくことを支えるための制度として2011年よりスタートしている。年齢を理由にして一般賃貸住宅への入居を断られることのある高齢者であっても、条件を満たしていれば入居することができる。

サ高住で提供されるサービスは、介護付き有料老人ホームなどとは大きく異なる。基本的には介護を必要としない人が入居することになるので、介護サービスは備わっていない。ただし、介護や看護などの専門資格を持ったスタッフが定期的に入居者のもとを訪れて安否確認や生活相談、介護にかかわる相談に乗ってくれる。
基本的に、老人ホームのような食事や掃除、洗濯などといった生活支援を行うことはないが、運営しているのが民間企業のため、場所によってはサービスを提供しているというのが現状だ。もし、サ高住に入居していて介護が必要となった場合は、訪問介護や訪問看護などといった外部の介護サービスを依頼しなければならない。

また、頻繁にレクリエーションを施設が主体となって行うこともないので、自分の時間を過ごすことができるという点が特徴だ。サ高住はあくまでも健康的な高齢者の入居を前提としているので、病院での入院や介護の度合いが高くなってしまうと、住み続けることが難しくなり、退去を求められることもあることを知っておこう。